渋滞予測をしていて、
普段気になることはありますか?
中村 人の列ができていると、その原因を考えてしまいますね。「今並ぶと損するな」とか。いかに渋滞を回避するかを考えているので、行列のできるレストランにはいきません(笑)。
川島 中村先生ほどではないですが、私も並ぶのは好きではありません(笑)。
職業的にいつも
チェックするものはありますか?
川島 社内に交通情報が分かるモニターがあり、毎朝の出勤時や席を立つ時などは必ずチェックしています。毎日見ていると肌感で分かることがあるので、「今日の渋滞時間早くない?」など同僚と話し合うこともありますよ。後でデータを見ると「やっぱりね」、ということはよくあります。
中村 肌感とは、つまり経験や勘。それだけではなく、スキルがどんどん上がっているから瞬間的に分かるんですよ。「起こらないはずの日なのに起こっている」という視点で見るから違う点に気づくんですよね。
渋滞予測の初心者には何から教えますか?
川島 「状況を毎日見なさい」と後輩などには言い続けています。毎日見ていると、おかしいところは必ず気づきますからね。
渋滞予測をしていて、
普段気になることはありますか?
中村 人の列ができていると、その原因を考えてしまいますね。「今並ぶと損するな」とか。いかに渋滞を回避するかを考えているので、行列のできるレストランにはいきません(笑)。
川島 中村先生ほどではないですが、私も並ぶのは好きではありません(笑)。
職業的にいつも
チェックするものはありますか?
川島 社内に交通情報が分かるモニターがあり、毎朝の出勤時や席を立つ時などは必ずチェックしています。毎日見ていると肌感で分かることがあるので、「今日の渋滞時間早くない?」など同僚と話し合うこともありますよ。後でデータを見ると「やっぱりね」、ということはよくあります。
中村 肌感とは、つまり経験や勘。それだけではなく、スキルがどんどん上がっているから瞬間的に分かるんですよ。「起こらないはずの日なのに起こっている」という視点で見るから違う点に気づくんですよね。
渋滞予測の初心者には何から教えますか?
川島 「状況を毎日見なさい」と後輩などにはい言い続けています。毎日見ていると、おかしいところは必ず気づきますからね。
あらゆる分野でAI技術の活躍が期待されていますが、
渋滞予測にも活かされるのでしょうか?
渋滞予測にも活かされるのでしょうか?
川島 予測のためのデータ精度はもちろん上がっているのですが、渋滞予測の手法は20年変わらずアナログ的で職人技の世界です。中村先生はAIが今後どう活かされると思いますか?
中村 AIの技術を活かすためには、出した予測のどこがどれだけ合っていて、どこがどれだけ合わなかったのかを、キチンと事後評価することが大切。合わなかった理由はなんなのか、そこをロジックに組み込まないとAIにはなりません。
川島 要因や要素を組み込むということですよね?
中村 はい。渋滞予測には担当者の勘みたいなものが入っているはずですが、それをどうやってAIに組み込んでいくのか。なかなか目に見える評価に表れないような過去の経験があるから、渋滞のエキスパートなのです。それを見えるようにきちんと評価することを、システマティックに行えば、精度がどれだけ上がっているかを立証できることにもつながります。
川島 なるほど。例えば、今年のGWに名神で50kmの大渋滞が発生しましたが、その時の予測と結果の比較はどうだったかなど、断片的な検証は行っていますが、全ては検証できていないのが現状です。今後、予測を立てた時の主要要素はこれで、実際に起きた後で評価をした時に実はこの要素が抜けていた、見方が違った、などを合わせていくと、AIの活用につながっていくはずですね。
自動運転が当たり前になると、渋滞はなくなりますか?
川島 クルマを車庫から出して、全部ベルトコンベアー状態になるレベルじゃないと渋滞はやっぱりなくならないですよね。
中村 世の中に存在する自動車と呼ばれるものがすべて自動運転になり、しかもすべて一定以上の性能を持っていれば、有り得るかもしれませんが…。その状態になるのはきわめて難しいと思います。だから自動運転に期待するよりも、たとえば勾配の具合で渋滞が起きるポイントでは、人間が気づきにくいその影響を自動運転でサポートすれば、普通のところと同じ交通の流れになる可能性もある。人間に任せておくと渋滞する場所をサポートすれば渋滞が改善される可能性が十分にある。おそらくそのアクションは自動運転よりも早く実現されていくことでしょう。
自動運転が当たり前になると、渋滞はなくなりますか?
川島 クルマを車庫から出して、全部ベルトコンベアー状態になるレベルじゃないと渋滞はやっぱりなくならないですよね。
中村 世の中に存在する自動車と呼ばれるものがすべて自動運転になり、しかもすべて一定以上の性能を持っていれば、有り得るかもしれませんが…。その状態になるのはきわめて難しいと思います。だから自動運転に期待するよりも、たとえば勾配の具合で渋滞が起きるポイントでは、人間が気づきにくいその影響を自動運転でサポートすれば、普通のところと同じ交通の流れになる可能性もある。人間に任せておくと渋滞する場所をサポートすれば渋滞が改善される可能性が十分にある。おそらくそのアクションは自動運転よりも早く実現されていくことでしょう。
中村先生にお聞きします。
交通工学の専門家として実現したいこと、目指していることはありますか?
中村 高速道路はそもそも何のためにあるのか。その目的は、移動を高速に、安全・快適に行うためにあります。だから理想型にもっと近づいてほしい。スムーズにクルマが流れればいいのではなく、サービス自体のクオリティが上がってほしいと願っています。海外の諸条件と比べて大変なのは承知の上で、日本のサービス向上の余地はまだまだあると感じています。例えば、ヨーロッパでもアメリカでも混む所は混むけれど、既存の道路を上手に使うような様々な対策を行うことで改善することに力を入れているんですね。それに渋滞予測はデータだけではなく、人を相手にしている。世の中が変われば渋滞予測も変わっていく。そこが研究の醍醐味でもありますね。
川島さんは高速道路ドライブアドバイザーとして
実現したいことはありますか?
川島 高速道路ドライブアドバイザーとして、混雑期の渋滞予測をすることで、いつもは乗り馴れていない人にも、安全・快適にドライブをして目的地まで行ってもらいたいです。楽しく高速道路を使ってもらうのが一番です。そのための工夫・ヒントを正確に分かりやすく伝えていきたい。その情報を参考にしてもらって、予定通りに目的地に着けた、楽しかったと思い出をたくさん作ってもらうことが、私のミッションだと思ってこれからも渋滞予測に取組んでいきます。